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2018年1月10日水曜日

解剖教室:Oprah's Speech @Golden Globe Award

http://www.harpersbazaar.com/culture/film-tv/a14551183/oprah-winfrey-golden-globes-speech-transcript/
「人の英語聞いてると、つい、構文追っちゃうよね。」って、親友と苦笑いしてしまうジューゴーなのですが、僕も親友も完全にKHシンドロームでして、KHシステムをやりこみまくると、単語とか文法とかじゃなくて、構文を聞く耳になってしまうという。

お気をつけて。

KHシンドロームといえば、スピーチを聞くと、スクリプトが読みたくなる、スクリプトを読むと、構造を分解したくなる、もう病気です!

で、やりました笑。Oprah Winfreyのゴールデングローブ賞の受賞スピーチ。

全部で7つのパラグラフ(段落)で構成されていて、これをさらに大雑把にぶった切ると、3つの部分で構成されています。

【導入パート】
1.前置き。落語なら枕の部分。幼少期にGG賞授賞式をテレビで見ていた時に、Sydney Poitierが黒人男性初の受賞を成し遂げて、感動したエピソード。オーディエンスを惹きつける。

2. 本題。受賞の謝意。デニススワンソンやクインシージョーンズに過去のお礼や謝意を述べる。

【主題パート】
3. 主張。
what I know for sure is that speaking your truth is the most powerful tool we all have. ”の部分。

4. 主張の説明・詳細
ここの部分ですね。この文章の後に、女性への深いリスペクトが示される言葉が添えられます。It's one that transcends any culture, geography, race, religion, politics, or workplace. So I want tonight to express gratitude to all the women who have endured years of abuse and assault because they, like my mother, had children to feed and bills to pay and dreams to pursue. 

5. Anecdoteの挿入
過去に悲惨な最期を遂げた黒人女性の事件を引き、その事件の調査に当たった人こそが、公民権運動の象徴的な存在であるRosa Parksだったことが明かされるクライマックスの部分です。
エピソードがchronicalに述べられた後、この文章で、ビシッと閉めます。
For too long, women have not been heard or believed if they dare speak the truth to the power of those men. But their time is up. Their time is up.
But以下が主張の部分ですが、その前がないと、なんのことかわからないので、入れました。お含みおきください。

6. 5の詳細を述べた箇所。
it's here with every woman who chooses to say, "Me too." And every man -- every man who chooses to listen.
この部分で、聴衆の感情が一気に揺さぶられるのが画面越しに伝わってきます。まさにinspring momentsです。

【締めパート】
7. 結論とClosing
In my career, what I've always tried my best to do, whether on television or through film, is to say something about how men and women really behave.
この部分をさらにだめ押しする形で次の言葉が続きます。
 but the one quality all of them seem to share is an ability to maintain hope for a brighter morning, even during our darkest nights. 

まさに締めにふさわしい美しい修辞による締め。聴衆の拍手とスタンディングオベーションが雪崩を打ちます。素晴らしく胸震える瞬間です。

やっぱり構造を見ていくと、スピーチとレトリックってつくづく面白いんだよな、と改めて感慨を深めた次第です。自分は本当にpreachingを聞いたり、public speechが好きなんだな、と思うと、教会で牧師先生の説教を毎週聞いていた過去が体に染み付いているんだな、と思います。

これ、このまま置いておくのは勿体ないですね。これを構造スクリプトに落とし込んで、大和言葉シート作って、トレーニングして、スピーチによる授業作って、グループワークで女性の人権に関する歴史を探る授業作って、グループでプレゼンして、関連記事読んで、ってやりたいです。

やろうかな。良いかも。「女性の人権」に関する授業、倫理や道徳、社会学、歴史、宗教、風呂敷を広げまくれるかもしれない。生物学とかもね。

やろうかな。

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